ロブのセッション
- 2018.11.26
- 非言語コミュニケーション
- 依存症
今日で2回目。彼もまたレッテルを貼られていた一人。セラピストたちから軽い自閉症の傾向があると伝えられていました。彼のケースもまた、お手上げになっていて、少しでも心と身体感覚が統合すればめっけもん、くらいのノリで私が担当することに。
1回目のセッションでは、引き馬をしてもらいながら、どのように繊細に感じるかをレッスン。確かに最初は心ここに在らずで、頭がフワフワと何処かに行っていました。ただこの彼は、ビジュアルに物事を想像するタイプだという事を感じ、ビジュアルなシチュエーションを頭に描いてもらいました。
ボオ〜っと引き馬をしてるから、馬に草を食べられ放題のロブを見て、こんなもん注意したって意味はないと考え、小言は言わずに、ポイントAの木からポイントBの木まで、走ってもらうことにしました。走らないと、火事の火の手が追ってくるというシチュエーションです。
まず最近のカリフォルニアの火事がどういう状態だったか、そして馬たちを火事から救うのに、レスキューたちがどうしてたかなど軽く話をし、頭に情景を描いてもらいました。その後にAからBまで馬を連れて走ってもらいました。私は「後ろから火がまわってきてるよ!もっと速く!死ぬよーっ!」って声をかけてただけ。あー面白かった。
ロブはこの練習で、スッカリ引き馬が上手になりました。しかも後ろを振り返らずとも、馬の様子は持っているリードロープで繊細に感じつつ。自閉症じゃないでしょー!プログラムがつまらなかっただけでしょー!
今日は鞍を着けないで、裸馬で馬場で軽速歩まで出来るようになっていました。できた!ということがとても気持ち良かったみたいで、顔つきが別人に!ここで息を吐いたとか吸ったとか、あそこで目の色が変わったとか、私が小さい事に気づくのは、ロブのように普段人から理解されない傾向の人から、信頼を得られる点かもしれません。だって目に見えるからね。
ロブが前回からちょっと痩せたのも目に見えました。他の子など、初めに会った時から1インチ身長が伸びた子もいて、胸周りが大きくなった事と、身長が1インチくらい伸びたでしょー!?と言ったら、まだティーンの子なので、ちょっと得意げになっていました。きっと誰でも、文字通り自分の成長に気づいてくれたら嬉しいものなのだと思います。
セッション後、ロブに「あなたの事を話ししてくれる?」と聞いたら、親のこと、兄弟のこと、そして2歳の娘に会えるために、麻薬はやめたいと思っているという事を話ししてました。実は彼はセラピストたちに、娘に会ってもしょうがないから会うつもりはない、と言っていたのです。セラピストたちはこの言葉を文字通り受けてるっていうのが、私にはハテナ?な点です。よっぽど言語を重要視しているのですね。
身体を存分に動かして、信頼してもらったら、その時には本心が、自ずと言葉で素直に表現されるのではないかと思います。
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