リーダーシップと男女の役割
- 2017.02.24
- 馬から学ぶ 心の在り方 IBEA国際ブロードエデュケーション協会
IBEA 国際ブロードエデュケーション協会の設立にあたり「男と女の役割」について、(一体どういうことなのかなあ?)とグルリと考えを巡らせています。
小学生の頃、男の子たちとの草野球で私は4番バッターでした。また小学校高学年の時、両親が離婚して母と住んでなかったのすが、叔母が私のことを可哀そうだと思ってくれて、誕生日会をやってくれました。その時、男の子たちがドヤドヤ来て、女の子が一人もいなかったので、叔母が後から「あの時、ゆっこちゃんには本当にびっくりさせられたわ」と言っていました。私の方は(人ってそういうことで心配するんだ・・)と逆にびっくりしました。
ティーンになって思春期の頃、付き合って欲しいと男の子に言われた時には、お決まりのコースがありました。バッティングセンターです。そこでどっちの方が速い球を打てるか、男の子と1000円賭けて競争しました。でも、一回も私に勝てた男の子がいなかったので、1000円だけ巻き上げて付き合いませんでした。
54歳になって周りの女性を見渡すと、長年お付き合いしている、いわゆるプロフェッショナルな仕事をしている女友達は、みんな同じことを言うことに気づきました。「昔、お転婆だったのよ」と。お転婆だった女の子が大人になって、男性に混じって仕事をしている。
で、その人たちの手を調べると、薬指の方が人差し指よりも長いはずです。(え!?)っていう話ですが、これは統計で分かっていることです。MP関節と呼ばれる、こぶしを握ると出る関節の骨の部分ですが、その部分から指の先までの長さが、男っぽい女性は、薬指の方が人差し指よりも長いんですね。もちろん私も薬指の方が長い。
男性っぽいと言っても、一体なにが男性っぽいのか?という話ですが、例えばトラクターやフォークリフトを運転する時に有利な、空間認知能力が優れているなどです。ちなみに少し前に、女友達から我が家のドライブウェイから車を出す時に、「バックが苦手だから由紀子さんやって」と頼まれました。いつも馬運車など運転していて、それこそ馬運車のバックは難しいので、乗用車でのバックが難しいって、そんな風に考えたことがなかったので、ちょっと新鮮な出来事でした。
社会で男性がしている仕事において、リーダーになっている女性の多くは、MP関節から薬指の先までが、人差し指より長いというのは面白い統計ですが、どうもそれは母親の胎内にいた時にできあがる、ホルモンの分泌の傾向によるようです。つまり、男っぽい女性は生理的に男性ホルモンが多いということなんでしょう。
次は、ではリーダーって一体なんなのか?ですが、私は馬たちからリーダーシップを多く学ばせてもらいました。野生の馬の群れでは、先頭にいる支配的リーダーとなる雄(スタリオン)と、後方にいる受動的な雌リーダーがいて、群れを引き連れています。
群れはハーレムになっていて、スタリオン以外は雌と仔馬だけ。1歳過ぎた頃には、雄は群れから外に出されるそうです。
ここで面白いのは、子どもが一頭だけだと、雄でもお母さんは長く手元においておくそうです。でも、次の仔馬が生まれる場合には、早くに群れから出されるそうです。
人間が馬たちを扱う際には、人間は馬たちのリーダーとなる役目をします。人によっては、支配的リーダーが向いている人もいれば、受動的にリーダーシップをとる方が向いている人もいて、人間の場合には馬のように明確に、男だから支配的、女だから受動的というようには分かれないようです。
昔、馬を扱っているのを見て、人の性格判断をしてくれる人がいたのですが、私はすごく珍しいケースで、支配的&受動的のリーダーシップ、両方できると言われたことがありました。必要に応じてどちらでも、コロコロ変わる人は滅多にいないと言われ、ちょっと得意になりました。
でも、今ならなぜ必要に応じて変われるか、ちょっと説明できることがあります。もちろん、その人の傾向として、リーダーシップをとる時に、支配的になる方が色濃かったり、受動的になる傾向の方が強かったりというのはあります。馬を扱っているのを見ると、その人の傾向を丸裸にしたように見えるので、それはそれは面白いものです。
そこで、馬たちとの関わりではなく人間関係において、どちらもできるための傾向として必要なことはなにか?それは「どちらもやろうと思えばできるけど、どちらであっても構わない」と思っていること。つまり(どっちでもいい)って思ってないと、前に立つか後ろに回るか、状況によって立ち位置を変えることはできないのではないかと思います。
人によっては、自分が人の前に立ってリーダーシップをとるよりも、後ろからサポートする方が心地いい人もいるでしょうし、自分がリーダーにならないと、どうしても気が済まない人もいると思います。
でも、時と場合によって、状況によって、環境によって、(別にどっちの役割でもいいし、どっちも同じ)と思うには、興味の対象が完全に自分の感情ではなく、成し遂げようとしている事に注がれている必要があると思います。その事を成し遂げるために、自分がどの役割をすれば一番効率的か、自分がどうしたいというのが先ではなく、事を成就させることのみを考えるということです。
ところが頭でそれを解ってても、できないことはあると思うのです。人間も動物ではありますが、馬のスタリオンが前にいて雌が後ろにいるという、単純な馬の世界とは違って、人間社会ではもっと複雑な関係があります。しかし歴史を振り返ってみると、将軍はみな女ではなく男だったなど、人間であっても動物と同じような、生物的な理由があるのではないかと考えるのです。
私がもし仕事で男性とパートナーシップを結ぶとしたら、その男性も同じように、どっちでもいいというスタンツで、プロジェクトを成し遂げる事のみに集中できないと無理かもしれません。
しかしもし、スタリオンが前に立ち、雌は後ろからついてくるのが自然というように、男性から女性への指示は当然だけど、女性から男性が指示されるのは、生理的に受け付けないというように、男性が生理的に動かされてしまう、自然に沸き起こる感情があったとしたら、それをコントロールする訓練がされていないと難しいでしょう。しかも、コントロール以前に、そうした無意識に気付いている必要があります。
女性が前でリードし、男性が後ろからサポートするというのは難しいシチュエーションかもしれません。その逆が、動物の世界で起こっていることと同じように、生物が生き残るための生理的な傾向だとすれば、そのような状況に柔軟に適応できなくても、できない方が当たり前という話です。
では反対に、私自身は男性を後方に行かせて、自分がスタリオンのように前に立つことにおいてはどうか?それはできます。というよりは、やらなければいけなければやります。その方が事を成就しやすくなるのであればやります。でも、自分がその立場でなく、後ろに回る時には、それが得策であれば、そうします。
実は大きな馬という動物を扱ってきている中で、私はリーダーシップをとる時の、自分の心の在り方を認識しながら、馬たちに修行させてもらいました。私自身はスタリオンはほとんど扱ったことがないのですが、スタリオンでも平気で扱える女性は超気が強い。大地に足がくっついていて離れないというくらい、フワフワしているところがなく、強固という言葉がぴったりきます。私はそんなに強くありませんが、意識して訓練はしていました。
同様に、男性が逆の立場で仕事をするには、そのことを認識した上で訓練すれば、できないことではないと考えます。ただ、必要に迫られない限り、敢えてそうした立場を喜んで受け入れる選択をする男性は、あまりいないかもしれません。
複雑な人間社会では、馬みたいに草を食べているだけじゃないので、女性が前に立ってリーダーシップをとることが必要な時もあります。その時、男性は後方で女性リーダーのサポートに徹する。しかし多分、こうした状況は、生理的に難しい状況です。なので人間の知恵を最大に拡張しないと難しいと考えます。というか、そもそもそれをしたいか?という話ですね。
と同時に、前に立たなければいけない女性は、これもやはり生理的に大変なのです。でも面白いことに、女性の下にいる男性は大変だと理解されても、男性の上に立たなければいけない女性の立場は、あまり理解されないのではないかと想像します。
とちらにしても立場が入れ替わる時には、それが生物として自然な在り方でないとしたら、お互いに訓練が必要なのでしょう。ちなみに男性ではなく、大黒柱となって一家を支えている女性には、この大変さは理解できると思いますし、女性が大黒柱のお家の男性も、その難しさは理解できると思います。
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