与える Vs. 与えない
自分の子育ての経験で一番難しかったこと。それは「与えない」ことでした。最近、このことについてよく考えさせられます。物や褒め言葉を与えられ過ぎて育つとどうなるか?これは植物に喩えると分かり易いと思いますが、腐ると思います。植物は水を与えられすぎると根が腐る。人も与えられすぎると腐るかしら。
思うに、植物が乾草しているところに適度な量の水を与えられると、水をどんどん吸うように、人も下積みを経て、本当に欲している時に与えられた教えは、貪欲に吸収すると思います。
ところがだ!子どもがまだ何も欲してない時に、これはどう?あれはどう?こうしたら?ああしたら?って、子どもの周りをウロウロしてたらアータ、この子どうなると思います?
何の努力もしてないのに、あなたは頭がいい、かわいい、すごい・・なんて、いつも褒められてばかりいたら、この子どうなっちゃうのかしら?まず言えるのは、その子は自分の力でなんとかしようと考える、WILLという自分の意思を失っていくんじゃないだろうか。
で、その意思が弱くなったら、生きる力が弱くなるかも。だって、何もしないのにいつも与えられていたら、自分の力で吸収する力は弱くなるでしょ。自分の力でなんとかする、また自分で考え抜く練習・訓練がされない。そうして育った人は、いつも人に何かやってもらおうと、依存するようになるかも。
実はそう見受ける子が週一回うちに来ているのですが、結論から言うと、他人の大人が子どもに教えてあげることは無理だと思いました。どう考えても親が変わらないと無理。というこで、やっぱり毎年夏にやっている子育て馬セミナーは、有意義なことだと思えてならないのでした。
ちなみに、現代子育てしているお母さんたちは、ほぼみなさん、この与える・与えないという問題を抱えていると言っても、大げさではないと思います。だって私たちは今、100年前の大金持ちでさえ持ってなかった物や情報が、簡単に手に入る時代なんですから。お金さえ払えば、もう一回言いますが、100年前の大金持ちでも手に入れることができなかったものを、普通に持てる時代なんです。そんな時代に「与えない」というのは、本当に難しい課題だと思います。
多くの子どもたちは、自然の中で何も与えられず、自分たちで考えて遊びを考える機会をすごく必要としているんじゃないかしら。でも、親自身がそうして生きてきてなかったら、そうした環境を用意するのは難しいですよね。
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