感情の話(3)

感情の話(3)

「潜在意識に残っている感情が、今現在の自分の身に起こっている事象に影響を与えている」と言われても、抽象的で点と点が繋がり難いかもしれません。もしくはスピリチュアルな話に感じられるかもしれません。

または、感情が日常生活にもたらす影響は、私が父から受けた虐待のように、特別な経験や過去がある、ごく一部の人の問題のように思われるかもしれません。

しかし悩みや不安の多くは、どうも自分の身体の中に囚われている感情が原因となっていて、それは幸福そうに見える人にも、明らかに重大な問題を抱えている人にも、誰にでも、多くの場面で見え隠れしているようです。

潜在意識に横たわっている囚われた感情は、日々の子育てにも影響を与えています。反面、潜在意識の明るい一面では、多くのお母さんたちの胸の中には、希望も同時に眠っているようです。

過去チルドレン大学を受講された方たちに書いていただいた、子どもに対する将来の希望について、彼女たちのコメントを集約しますと、使われている言葉や表現は異ないますが、ビックリするほど多くのお母さんたちが、『与えられた能力を最大限に活かし、人の役に立ち、自分でも幸福になれる人間になって欲しい』という希望を持たれています。

私はこのように考えるようになりました。

もしかしたらそうした母親の思いは、今の時代に生きる母だけでなく、昔から日本の母たち、いや世界中の母たちの心に眠っている、子どもに残してあげたい宝なのではないかと。

そして不安や心配や悩みや苦悩という、光を覆っている潜在的な感情を取り除くことが、母たちの願いを叶える効果的な道ではないかと。

 

私は約15年継続して、そのことに思いを巡らせてきました。研究してきたわけではありませんが、なんでだろう?どうしてだろう?何をしたらいいのだろう?どうしたらいいのだろう?と、いつもその疑問について考えています。

同時に約15年の間、家庭での教育を推奨してきた過程で、お母さんたちから「自分に自信がない」という言葉を聞いてきました。

『与えられた能力を最大限に活かし、人の役に立ち、自分でも幸福になれる人間になって欲しい』という気持ちはある。けれども実際の子育てには自信を持てない。一体どうしたらそのギャップを埋めることができるのでしょう?

普通のお母さんたちが一般的によく言う言葉。「自分に自信がない」という問題について、私が言葉で対処法を説明し、解決してあげられるとは夢にも思っていません。

自尊心を高めるために、他人がいくら言葉で応援しても効果がないことは、自分の中のコンプレックスと葛藤してきた人なら、誰しも分かることと思います。たとえ理詰めで説明されても、自信が持てない時に「明るく考えなさい」と言われても、頭で理解できてもネガティブな感情を止めることはできません。

でも、どうしたら『与えられた能力を最大限に活かし、人の役に立ち、自分でも幸福になれる人間になって欲しい』という希望が叶うのか?そのためには、自分の日常のリアクションに影響を与えている、身体の中に囚われている感情を認知するだけでなく、それを解き放つプロセスが必要となると考えています。

自信がない。つまり自己肯定感や自己効力感が低いということです。

近年、自己肯定感という言葉はよく使われるようになり、自分に自信が持てないことで悩んでいる人たちに、これまでの悩みは自己肯定感の低さだったのかと、認識されるようになっていることと思います。ここでは自己肯定感を例にしてみたいと思います。

自己肯定感を検索してみますと、自己肯定感が低い人の傾向として、下記の特徴が述べられています。

・不安や怖れを持ちやすい
・自信がなく、受身的
・他人の評価で自分を判断する
・人に評価してもらわないと不安
・他人の評価に振り回される
・人と比べて、落ち込みやすい
・他者の意見を聞くことができない
・自分を否定的に見る
・物事を否定的に受け止めやすい
・自分で自分を満たせない。
・他人をジャッジする
・生きにくさがある
・人間関係にトラブルを抱えやすい
・失敗すると自己価値まで否定しがち
・自分がジャッジされる不安をもつ
・人との違いを認められない
・自分を正当化しないと不安
・他者に対して批判的傾向
・自分の考え(意見)が言えない
・問題解決能力が低い
・罪悪感を持ちやすい
・自分の人生は他人に決められている感覚
・主体性が低く、他人軸(一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会サイトより抜粋)

 

自己肯定感が低いという根本的な問題が、こうした枝葉のように現れる、性格や感じ方や行動の原因になっているのですね。

でも往々にして、私たちは問題に直面すると、例えば「物事を否定的に受け止めやすい」という、自分の負の気持ちに気づいた時、(そういう考え方をする自分はいけないので、肯定的に受け止めなければいけない)と努力したり、またはそこで再度、できてない自分を責めたりと、原因ではなく表面化された部分的な箇所を正そうとしませんか?

「他者の意見を聞くことができない」という状況では、他者から意見を言われたら、表面的には受け入れてみるものの、実際には肯定的に受け入れているわけではないため、心の中に知らず知らずのうちに、受動攻撃的な気持ちが生まれているとか。

また逆の場合は、他者からの意見で自分が傷つかないよう防御するために、論破しようとしたりなど、意見=批判に取れてしまうが故に、攻撃的になる傾向があるとか。同じことが起こっていても、反応の仕方は真逆だったりします。こうしたことはどれも、誰にでも多かれ少なかれ経験があることではないでしょうか。

さて、反対に自分自身を認め尊重するという自己肯定感が高ければ、同じ状況に面しても、上記のリストにあるような、嫌な気持ちを抑えられるどころか、そうした気持ちが全く沸き起こりさえしないようです。そして同じことを見ても聞いても体験しても、前向きな視点で捉えることができるようです。

自己肯定感が高い人の傾向
・自分に対して安心感がある
・自信があり、能動的
・周りに振り回されない、
・物事を肯定的に受け止められる
・自然な意欲で行動に移せる
・自分を肯定的にみられる
・物事を肯定的に受け止められる
・自分を尊重するように他者も尊重できる
・人との違いを受け入れられる
・感情が安定している
・生きるのが楽
・問題解決能力が高い
・失敗を成長の糧にしていける
・他者の意見を聞くことができる
・人の評価に振り回されない
・人をジャッジしない
・人間関係が良好
・自分の考え(意見)を伝えられる
・自分の人生は自分で決めている感覚
・主体性が高く、自分軸(一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会サイトより抜粋)

私自身は、ほぼ自己肯定感の高い人の傾向ではあると思っています。

が、攻撃されたり上から目線でマウンティングされると、つい戦闘モードに入ってしまう傾向があります。何度もそれを押し込めようと努力しますが治りません。

もしかしたら自尊心が低いために、自尊心を脅かされると怒るのか、もしくは自尊心が高過ぎるために、上からのしかかられたら怒るのか、もうどちらだか分からなくなってきますが、とにかくマウンティングされたら強く反応し、その気分が長く続きます。つまりずっと怒ってます。

と言うように、繰り返し同じ思い方の傾向があり、嫌なのにやめられない感情があるとしたら、それはやはり身体のどこかに眠っている、囚われた感情が原因ではないかと考えるのでした。

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